◆ 「旅と鉄道」は2009年2月号を以て発行を取りやめました。◆
…既刊号もすべて絶版です。 長年のご愛読、ご支援に対し深く感謝いたします。
編集を終えて 編集長:宮原正和 (旅と鉄道2009年2月号:編集後記)
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休刊への最終号ですが、特別号として予定を一部変更して構成しました。編集作業は年末の繁忙期と重なり、ふだんにも増して慌しく過ぎてしまいました。「年末進行」はどこの出版社も同じで一週間程度は前倒しのスケジュールになりますが、毎月十日発売の本誌の場合は工程の関係で年内に印刷を終えなくてはならず、待ったのきかない厳しい作業を余儀なくされました。 編集の最終段階を迎えた十二月十九日にJRの三月ダイヤ改正の概要について発表があり、かねてうわさされていたとおり、東京と九州、大分・熊本を結ぶブルートレイン「富士・はやぶさ」の廃止が明らかとなりました。そのほか、夜行快速のムーンライト二往復が、繁忙期のみの運転へと一歩後退、残る少数の夜行列車も決して安泰とは言えない情勢です。「国鉄改革」のさい、鉄道が将来にわたって特性を発揮できる分野として、大都市圏の通勤・近郊輸送と新幹線を主とした都市間輸送が挙げられており、そこから外れる夜行の長距離列車の縮小は当時から予想されたものでした。寝台特急の全盛期は一九六〇年代であり、むしろ先細りながら今日まで運転が継続されてきたことに着目すべきかもしれません。とはいえ伝統的な「九州特急」の全廃は、やはり一時代の終焉と受け止めざるを得ず、そしてそのことが、鉄道の旅というもののスタイルを根底から変えてしまうほどのインパクトをもつようにも思えます。一方、最近の社会情勢からは、少子高齢化にとどまらず大都市圏の鉄道に対しても少なからぬ影響を及ぼしそうな現象、傾向がうかがえます。もちろんただちに大きな変化が予想されるというものではないですが、鉄道そのものが変わらざるを得ない時代に差し掛かっていることは間違いないようです。 そのようななかで、本誌は休刊という事態に立ち至りました。このところ、伝統ある大手出版社の著名な雑誌でさえ休刊が相次いでおり、他の雑誌も多くが苦戦を伝えられています。日本における雑誌文化の盛り上がりは、出版の意欲と編集の創意工夫によるところが大きいと言われてきましたが、それだけに情報の送り手からの一方通行であって、インターネットの普及を通じだれもが手軽に意見や情報を発信できるようになり、また、双方向の交流がなじんできたことで、編集の独自性が逆にマイナスに作用し始めたのかもしれません。また一般に、ユニークな雑誌ほどその生命を保てるのはせいぜい三十年と言われます。本誌も一九七一年の創刊から三十七年が経過しています。販売部数のピークは一九九〇年代で、JR発足ののち新しい列車が次々に登場して、鉄道への関心が高まった時期に呼応しています。当時、本誌は編集面でも「鉄道」へのシフトを強め、その結果、専門誌「鉄道ジャーナル」でも扱えそうな記事が増えたことも影響したように思われます。 一月号で「休刊」を発表して以来、読者のみなさんからも数多くのメッセージを頂戴しました。「驚いた」「気に入っていたのに」「ぜひ早期の復刊を」といった評価を多くいただき、月刊移行後の新しいスタイルが定着しかけた矢先であっただけに一層心苦しく残念でなりませんが、抗し難い事情も重なっての決断でもありました。長年のご愛読、ご支援に対し深く感謝いたします。 |
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